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”つたわる”ホームページ・ウェブサイト制作は「たった一人」のストーリーを考えることから始まる|UXデザインのフレームワーク:ペルソナの作り方と活用法

”つたわる”ホームページ・ウェブサイト制作は「たった一人」のストーリーを考えることから始まる|UXデザインのフレームワーク:ペルソナの作り方と活用法

目次

2025-04-10
2025-04-17

ホームページまたは、ウェブサイト(以下、サイトと言います。)を制作する際「誰に向けて情報を発信するのか」を明確にすることは、”つたわるサイト”づくりにおいて欠かせない視点です。

しかし、「20代〜40代の女性」「個人事業主」など、ざっくりとしたターゲット設定のままプロジェクトを進めてしまうと、サイト全体のメッセージやデザインがぼやけてしまい、結果として「誰にも響かない」サイトになるリスクがあります。

こうした問題を防ぎ、“つたわるサイト”を実現するために、当社では「ペルソナ」というフレームワークを活用しながら、誰に・どのように届けるのか、一人のお客さんのストーリーを一緒に考えた上で、サイトを作り上げていきます。

今回の記事では、ペルソナの基本的な意味から、作成手順、実務での活用方法、そして見直しのポイントまでを解説していきます。

ペルソナとは?“たった一人のユーザー像”を描くフレームワーク

ペルソナ(Persona)とは、商品やサービスを届けたいと考えている“ユーザー”を、架空の人物として具体的に描いたものです。

たとえば「30代の主婦」だけでは不十分で、以下のように深掘りしていきます。

例:ペルソナの一部

  • 名前:山田花子さん(仮名)
  • 年齢:38歳
  • 職業:パン屋を経営(個人事業主)
  • 家族構成:夫と小学生の子ども2人
  • 主な悩み:新規集客が難しい/SNSの使い方がよくわからない
  • よく使うSNS:Instagram
  • 検索するワード:「パン屋 ホームページ 作り方」

このように、まるで実在するかのようなユーザー像を描くことで、チーム全体で「誰のために作るのか?」の認識を揃えることができます。

ペルソナはUXデザインの基本フレームワークのひとつ

ペルソナは、UXデザインの中でも特に重要な基本ステップのひとつです。

UXデザインとは、「ユーザーが商品やサービスを通じて得られる体験全体を設計する考え方」です。
「どうお客さんに見せるか」ではなく「どうお客さんが感じるか」とユーザーに着目するのがUXデザインの基本的な考え方です。

その起点として、ペルソナを設定することは、ユーザー理解を深める出発点になります。

ペルソナを作成する目的の最大の価値は「相互認識の土台」になること

ペルソナを作る目的は、「マーケティングの精度を上げるため」だけではありません。
実はそれ以上に大きな価値があるのが、

「関わる人たちとの相互認識を深めるため」

です。

クライアントと制作者間のズレを防ぐ

たとえば、制作者が「若者向けにポップなデザインにしよう」と思っていたのに、クライアントは「落ち着いた主婦向けのサイトにしたかった」というすれ違いがよくあります。

ペルソナを作成していれば、
「この人に伝わるようにするには?」という共通言語で話ができるため、方向性のブレや修正が減ります。

チーム内での共通認識も生まれる

複数のスタッフが関わるプロジェクトでも、ペルソナがあることで、「導線設計」「文章」「ビジュアルデザイン」すべてに一貫性が生まれやすくなります。

ペルソナの作成手順|初心者でもできる3ステップ

ステップ1:ユーザーの情報を集める

まずは、実際の顧客データやアンケートなどから、ユーザー像のヒントとなる情報を集めましょう。

例えば、習い事のビジネス(お子さんが通われている)をしている場合は、実際に通っている保護者(費用を払う方)を思い浮かべることで、よりリアルなイメージが湧きやすくなります。
また、アンケートを取ってみると、似た傾向の人が何人か見えてくるはずです。
その中から「この人を軸にして考えてみよう」と決めて進めるのも良い方法です。

2年ほど前に作成したものです。

ステップ2:人物像を具体的に描く

ユーザーの年齢、職業、家族構成、趣味、1日の行動パターンなど、ライフスタイルが見えるくらいの細かさで描いていきます。

可能であれば、名前や顔写真(イメージ写真でも可)を設定すると、よりチーム全体で共有しやすくなります。

ステップ3:目的・課題・ニーズを明確にする

次に、そのユーザーが「なぜサイトに訪れるのか?」
そして、「どんな悩みを解決したいのか?」という視点で、ユーザーの目的や課題を整理していきます。

これができると、サイト設計・導線・言葉選びなど、あらゆる判断の軸が明確になります。

ペルソナ作成後の活用方法

作ったペルソナは、次のような場面で活躍します。

  • レイアウトを考えるときの判断軸
  • キャッチコピーや本文のトーンを決めるときの参考
  • サイト構成や導線設計をする際の指針
  • コンテンツ企画(ブログやSNS)のテーマ選定

“この人なら、どう感じるだろう?”というユーザー視点がすべての判断軸になります。

ペルソナは「作って終わり」ではない

ここがとても大切なポイントです。

ユーザーは、常に変化し続けます。
社会環境やトレンド、生活スタイル、検索行動も数ヶ月単位で変わることがあります。

そのため、ペルソナも定期的にアップデートする必要があります。

特に以下のタイミングでは見直しをおすすめします。

  • 半年に一度の振り返り
  • 新サービスやキャンペーン開始時
  • アクセス解析やユーザーアンケートでズレを感じたとき

ペルソナは「変化するお客様のリアルを知ること」でもあるのです。

よくあるペルソナについての質問

Q. ペルソナは複数作った方がいいの?

まずは「軸となる一人のユーザー」を徹底的に考えることからスタートするのがオススメです。そうして、テスト・検証を行いユーザーの精度を上げていくことが重要です。

Q. 作るのが面倒…本当に効果あるの?

手間はかかりますが、クライアントやチームとのコミュニケーションが格段にスムーズになります。

まとめ

ペルソナは“共通認識”をつくるUXデザインの重要なステップです。

  • ペルソナは、ウェブサイト制作において「誰のために」を明確にするための重要なフレームワーク。
  • 単なるターゲットよりも具体的で、感情や課題、価値観までを反映。
  • 作ることでクライアントやチームとの相互認識が深まり、制作のブレが少なくなる。
  • 一度作って終わりではなく、ユーザーの変化にあわせて見直すことも大切。

あなたがこれから作るウェブサイトも、「たった一人」に向けて丁寧に設計することで、より伝わる・届くサイトになります。

まずは、一人のユーザーの物語を描くことから始めてみましょう。

Enjin Labのサイト制作では、ペルソナ作成を必ず行います。

「とりあえず見た目を整える」「綺麗する」だけでは、”つたわるサイト”は実現しません。当社では、プロジェクトを進める際には、クライアントの事業について理解した上で、ペルソナを作成しデザインに落とし込んでいきます。

伝わるサイトをつくりたい」とお考えの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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