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ホームページまたは、ウェブサイト(以下、サイトと言います。)を制作する際「誰に向けて情報を発信するのか」を明確にすることは、”つたわるサイト”づくりにおいて欠かせない視点です。
しかし、「20代〜40代の女性」「個人事業主」など、ざっくりとしたターゲット設定のままプロジェクトを進めてしまうと、サイト全体のメッセージやデザインがぼやけてしまい、結果として「誰にも響かない」サイトになるリスクがあります。
こうした問題を防ぎ、“つたわるサイト”を実現するために、当社では「ペルソナ」というフレームワークを活用しながら、誰に・どのように届けるのか、一人のお客さんのストーリーを一緒に考えた上で、サイトを作り上げていきます。
今回の記事では、ペルソナの基本的な意味から、作成手順、実務での活用方法、そして見直しのポイントまでを解説していきます。
ペルソナとは?“たった一人のユーザー像”を描くフレームワーク
ペルソナ(Persona)とは、商品やサービスを届けたいと考えている“ユーザー”を、架空の人物として具体的に描いたものです。
たとえば「30代の主婦」だけでは不十分で、以下のように深掘りしていきます。
例:ペルソナの一部
- 名前:山田花子さん(仮名)
- 年齢:38歳
- 職業:パン屋を経営(個人事業主)
- 家族構成:夫と小学生の子ども2人
- 主な悩み:新規集客が難しい/SNSの使い方がよくわからない
- よく使うSNS:Instagram
- 検索するワード:「パン屋 ホームページ 作り方」
このように、まるで実在するかのようなユーザー像を描くことで、チーム全体で「誰のために作るのか?」の認識を揃えることができます。
ペルソナはUXデザインの基本フレームワークのひとつ
ペルソナは、UXデザインの中でも特に重要な基本ステップのひとつです。
UXデザインとは、「ユーザーが商品やサービスを通じて得られる体験全体を設計する考え方」です。
「どうお客さんに見せるか」ではなく「どうお客さんが感じるか」とユーザーに着目するのがUXデザインの基本的な考え方です。
その起点として、ペルソナを設定することは、ユーザー理解を深める出発点になります。
ペルソナを作成する目的の最大の価値は「相互認識の土台」になること
ペルソナを作る目的は、「マーケティングの精度を上げるため」だけではありません。
実はそれ以上に大きな価値があるのが、
「関わる人たちとの相互認識を深めるため」
です。
クライアントと制作者間のズレを防ぐ
たとえば、制作者が「若者向けにポップなデザインにしよう」と思っていたのに、クライアントは「落ち着いた主婦向けのサイトにしたかった」というすれ違いがよくあります。
ペルソナを作成していれば、
「この人に伝わるようにするには?」という共通言語で話ができるため、方向性のブレや修正が減ります。
チーム内での共通認識も生まれる
複数のスタッフが関わるプロジェクトでも、ペルソナがあることで、「導線設計」「文章」「ビジュアルデザイン」すべてに一貫性が生まれやすくなります。
ペルソナの作成手順|初心者でもできる3ステップ
ステップ1:ユーザーの情報を集める
まずは、実際の顧客データやアンケートなどから、ユーザー像のヒントとなる情報を集めましょう。
例えば、習い事のビジネス(お子さんが通われている)をしている場合は、実際に通っている保護者(費用を払う方)を思い浮かべることで、よりリアルなイメージが湧きやすくなります。
また、アンケートを取ってみると、似た傾向の人が何人か見えてくるはずです。
その中から「この人を軸にして考えてみよう」と決めて進めるのも良い方法です。
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ステップ2:人物像を具体的に描く
ユーザーの年齢、職業、家族構成、趣味、1日の行動パターンなど、ライフスタイルが見えるくらいの細かさで描いていきます。
可能であれば、名前や顔写真(イメージ写真でも可)を設定すると、よりチーム全体で共有しやすくなります。
ステップ3:目的・課題・ニーズを明確にする
次に、そのユーザーが「なぜサイトに訪れるのか?」
そして、「どんな悩みを解決したいのか?」という視点で、ユーザーの目的や課題を整理していきます。
これができると、サイト設計・導線・言葉選びなど、あらゆる判断の軸が明確になります。
ペルソナ作成後の活用方法
作ったペルソナは、次のような場面で活躍します。
- レイアウトを考えるときの判断軸
- キャッチコピーや本文のトーンを決めるときの参考
- サイト構成や導線設計をする際の指針
- コンテンツ企画(ブログやSNS)のテーマ選定
“この人なら、どう感じるだろう?”というユーザー視点がすべての判断軸になります。
ペルソナは「作って終わり」ではない
ここがとても大切なポイントです。
ユーザーは、常に変化し続けます。
社会環境やトレンド、生活スタイル、検索行動も数ヶ月単位で変わることがあります。
そのため、ペルソナも定期的にアップデートする必要があります。
特に以下のタイミングでは見直しをおすすめします。
- 半年に一度の振り返り
- 新サービスやキャンペーン開始時
- アクセス解析やユーザーアンケートでズレを感じたとき
ペルソナは「変化するお客様のリアルを知ること」でもあるのです。
よくあるペルソナについての質問
Q. ペルソナは複数作った方がいいの?
まずは「軸となる一人のユーザー」を徹底的に考えることからスタートするのがオススメです。そうして、テスト・検証を行いユーザーの精度を上げていくことが重要です。
Q. 作るのが面倒…本当に効果あるの?
手間はかかりますが、クライアントやチームとのコミュニケーションが格段にスムーズになります。
まとめ
ペルソナは“共通認識”をつくるUXデザインの重要なステップです。
- ペルソナは、ウェブサイト制作において「誰のために」を明確にするための重要なフレームワーク。
- 単なるターゲットよりも具体的で、感情や課題、価値観までを反映。
- 作ることでクライアントやチームとの相互認識が深まり、制作のブレが少なくなる。
- 一度作って終わりではなく、ユーザーの変化にあわせて見直すことも大切。
あなたがこれから作るウェブサイトも、「たった一人」に向けて丁寧に設計することで、より伝わる・届くサイトになります。
まずは、一人のユーザーの物語を描くことから始めてみましょう。
Enjin Labのサイト制作では、ペルソナ作成を必ず行います。
「とりあえず見た目を整える」「綺麗する」だけでは、”つたわるサイト”は実現しません。当社では、プロジェクトを進める際には、クライアントの事業について理解した上で、ペルソナを作成しデザインに落とし込んでいきます。
「伝わるサイトをつくりたい」とお考えの方は、どうぞお気軽にご相談ください。